「催眠はずっと解けない」のか?

催眠の説明をすると、「催眠はずっと解けないものなのか」という質問をよくいただきます。この質問には二つの意味が含まれているようです。一つ目は「催眠状態はずっと解けないのか」と言う意味です。

催眠施術は、誘導・暗示・覚醒の三つの段階からなっています。誘導によって、暗示を書き込める無意識が浮き上がった状態(変性意識状態)を作り、暗示を入れた後に、覚醒させて変性意識状態を解除すると言う流れです。

この変性意識状態は、誰でも日常的に断続的に発生しています。変性意識状態の一種が(狭義の)催眠状態ですので、催眠の施術においても、この「暗示を書き込める状態」自体は放っておけば、催眠術師が対象者を覚醒しなくても、いずれ解除されるものだと分かります。

一方の意味は「入れた暗示がいつまでも続くのか」と言う疑問です。多くの催眠書籍などには、催眠では暗示の内容は数日持つ程度で、長期に渡るのは洗脳であると、区別されていますが、吉田かずお先生の吉田式催眠術では、このような区別をしていません。

自分で無意識に書き込んでしまった耐えられない記憶であるトラウマが、放置すればずっと続くことがあるように、催眠で書きこんだ暗示内容も(後催眠暗示になっていれば)ずっと解けずに続きます。数日で解けてしまうのなら、ダイエットや集中力向上などの催眠施術は成立しなくなってしまいます。「解除・変更の上書きをしない限り解けない」のが本当です。