催眠技術による癌患者回復の取り組み

「催眠術で癌が治る」と言って施術したら、法律的にもかなり問題が生じます。しかし、癌患者への催眠技術による療法の取り組みは以前から為されています。吉田かずお先生も、少なくない癌患者に催眠の施術を行なっています。

癌そのものや癌治療における精神的ストレスは測り知れません。終わりがないように感じられる、体に猛烈な負荷のかかる抗癌剤治療などが、否応なく意識される死の可能性と相俟って、癌患者を苦しめます。催眠技術によって、この強いストレスの緩和や解消は、比較的簡単に実現します。

また、ストレスの一因ともなる痛みそのものも、モルヒネなどに頼ることなく、催眠技術の“感覚支配”によって緩和・解消が可能です。催眠技術によって、癌が直接治せる訳ではありませんが、癌患者のQOL改善に催眠技術が非常に有効であることが分かります。

吉田かずお先生は、さらに、催眠技術の“記憶支配”で、知人の癌患者の「自分は癌である」と言う認識自体を消してしまったことがあると言います。この癌患者は、ふさぎ込むこともなくなり、行動的になっていきました。そして、余命3か月の診断だったのに、5年後にも生存しており、癌は劇的に縮小したとのことです。

この話を私が知人の医師数人にしたところ、「催眠技術だけがその結果を招いたとはもちろん言えないが、プラスの効果は十分考え得る」との見解を一様に示していました。つまり、催眠技術で癌患者の精神的な癌の負担を急減させることにより、癌患者の免疫力も大幅に改善し、結果的に癌を物理的に縮小させる効果は十分あり得るということなのです。