失敗続きの仕事と恋愛。幸せになれないと思い込んだ女性のケース セッション第2回

≪第1回目からの続き…≫

第1回目で行なった催眠面接の手法で「みんなに大切にされたい」と言うキーワードが明らかになり、それを第2回目で後催眠暗示として入れる予定でした。

ところが、第1回目のセッションで明るくなった表情には、入室の時点から笑顔が浮かび、「なんか暗く沈むことがなかったです。連休が間にあったせいで職場に行く機会が少なかったからですよね。あ、これも催眠の効果ってことなんですか」と座るや否や話し始めました。

催眠技術の効果を実感したのか、「1回に2個暗示を入れられるなら、1個目は『もっともっと自信が湧く』と言うのにして、2個目に前回決めたのを入れて欲しい」とワクワクしているように言ってきました。

リクエスト通り、「自信がどんどん湧いてくる」を後催眠暗示で入れた所、「なんか、私、何悩んでたんでしょうね。ふふふ。なんか、おかしくって仕方ないです」と笑いが止まらなくなってしまいました。自信が急に湧いて、万能感や多幸感で落ち着かず笑いが止まらなくなってしまったようです。

吉田式呼吸法もペンデュラムを使った凝視法も試しましたが、笑い出してしまって誘導が完遂しません。誘導していても、クスクスと笑いだし「石川さん。ずっと私のこと見つめてくれているんですね」などと言いだす状態でした。

仕方なく、笑いを打ち消すために緊張系の誘導をじっくり行なうことにしました。「みんなが私を大切にしてくれる」と紙に50回書いてもらう「作業催眠術」です。前半は急ぐように横から煽り、後半は「書いていると、どんどん、頭の奥の方に暗示が入ります」と何度か耳元で話しかけました。

その後、1度近況報告のメールが来ましたが、経過は良好のようでした。そして、成功する催眠施術の常として、問題が無意識の中から解消したらしく、何も連絡が来なくなりました。