最近、催眠技術の連続レクチャーのご依頼が増えています。ご依頼いただいている方々の職業も地域もさまざまで、都内のトラウマ治療専門の精神科クリニックの医師のみなさんや、関西圏のビジネスコーチ、神奈川県の柔道整復師などです。どの案件も連続でのレクチャーで、吉田式催眠観の基礎的な考え方から吉田式呼吸法による誘導の実践技術など、一通りの施術技術を一旦マスターすることを狙っています。
これらのご依頼の背景には、各々お仕事のプロセスに催眠技術を取り込むことによる、より本質的で効果的なサービスの実現が求められている状況があるようです。
催眠技術を直接的に用いた(取り分け、催眠をかけることを明らかにしての)の仕事のありかたはかなり限られています。事実上、催眠技術を指導する仕事、演芸催眠を行なって見せる仕事、そして、ヒプノセラピーを行なう仕事の3つです。このうち演芸催眠とヒプノセラピーを私は「完成品販売」と喩えて呼ぶことがあります。催眠技術そのものを提供して対価を得る仕事だからです。
残った一つの催眠技術指導も習う側が、「完成品販売」意図している場合は、その指導を行なうことも実質的に「完成品販売」の行為になるでしょうし、逆に単なる趣味や関心で「習得のための習得」のようなケースも、教える側の催眠技術の「完成品販売」になりそうです。
それに対して、「部品販売」と私が呼ぶ仕事があります。それは相手の仕事の中に催眠技術の要素を組み込むことを意図した仕事です。今回の連続レクチャー案件群も、それぞれに既に事業は成立していて、連続レクチャーを受けた後も「催眠施術」をサービスメニューとして掲げる訳ではありません。既存のビジネス・プロセスに吉田式催眠観の知見や技術を取り入れることを目的としたものです。つまり、吉田式催眠観が先方のビジネスの部品になるということです。吉田かずお先生は、遥か以前一世を風靡したMr.マリックのネタを作っていたことがあります。こうした仕事も「部品販売」の範疇です。
今回の連続レクチャー案件の増加は、催眠技術の表面的な「完成品販売」の一般的認識から一歩踏み込んだ催眠技術の本質的理解が、世の中に深まっているトレンドの結果と見ることもできるかと思っています。
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