自分の情報が流出するのが怖い…というご相談

「自信が持てない/自己肯定感が低い」、「ダイエットしたい」、「眠れない」など、ご相談いただく内容には、結構定番なものがあります。先日、全く初めてに思えるご相談内容に遭遇しました。依頼者は関東圏の大学院に通う女性です。

概括すると「自分の情報が流出するのが怖い」という相談です。具体的に伺うと、「常に監視されているのではないかと考えると不安で仕方がない」と、「ネットで打ち込んだ個人情報が誰にどのように使われるかを想像すると不安で仕方がない」という“恐怖”に近い感情が心を支配しているという状況のご相談でした。家から出ることにも恐怖を感じるということで、施術に来ていただくのに数回アポのキャンセルを経ねばなりませんでした。

待合わせ場所から施術場所まで新宿の街を数分移動した際にも、スマホで写真を撮る観光客が目に入ると立ち竦んでしまいます。自分がPCで入力したログイン情報も一覧表にして、使わなくなったものから即削除し、個人情報の削除をサイトの運営会社に個々に依頼しなくては気が済まないと、説明してくれました。

日によって不安の程度が異なるとはいえ、「監視カメラがある外には出られない」のでは日常生活に大きな支障があります。そこで初回は深呼吸で心が鎮まるという定番の暗示の書き込みを行ないました。効果はすぐ出て、深呼吸で落ち着きながら、外出することができるようになりました。ログイン情報の一覧表も深呼吸をしながら見ると、脅迫感が激減したと言います。

同じ暗示を強化した二度目に続き、三度目にはこの状況が始まった経緯を尋ねると、小学校高学年の頃から中学にかけての虐めが原因にあり、その頃から「誰かが自分を監視していて、自分の悪い所や弱い所を常にネタにして虐めようとする」と感じていたと言います。ここでもまた、最近増えている「自己肯定感の低さ」が根本に存在していることが見えてきました。

入念に議論をして、「誰でも長所と短所がある。他人のことは気にしなくてよい」という主旨の暗示を書き込むことにしました。本人が無意識下で潜在的に望んでいた概念だったようで、一回で深く浸透し、ご依頼の対象だった恐怖感はほぼ消えてなくなりました。

ご相談者が理系の大学院生であったこともあり、本人が客観的に自分の状況を把握していたことが、早期の問題解決につながったように感じます。

☆参考書籍:『伝説の催眠術師、吉田かずお先生からならったこと: 二年目の催眠感想文