「ちょっと試しに、あのナレーションみたいに“ジェット・ストリーム”って言ってみて」。
当時の私の周囲で起きていること、取り分け、私が講師を務めるセミナーの受講者が陥るトランス状態を聞いて、私の催眠の資質を見抜いた有名占い師は、昔のラジオ番組のタイトルコールの話をして、私にもその気になって言ってみるように促しました。
「ジェット・ストリーム」と私が言うと、彼女は「うん。多分、イケてる」とぼそりと言って、「あのね。多分、みんな催眠で説明がつくと思うんだよね」と呆然としている私に告げました。これが、私の催眠技術との出遭いです。後日、彼女は吉田かずお先生に私を紹介してくださったのでした。
実際、催眠技術を吉田かずお先生に習ってみると、一つ大きな問題が出ました。私はリラックスすることが心底嫌いな人間だったことです。「リラックスと集中」が原理の弛緩系催眠をかけようとしても、私自身がリラックスしない人間なので、ギクシャクするのです。
その後、吉田かずお先生の誘導や暗示の口調をCDから真似ることで、他者催眠はできるようになりました。吉田かずお先生の声は、電話でも催眠をかけられる独特のものです。その口調と声色を思い起こす際に、私が頭に浮かべるキーワードがあります。
“Sweet & Low”
あのラジオ番組のタイトルコールにも共通する、誘導と暗示に絶妙な効果を生む発話の特徴です。
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