恋愛三年寿命説! 究極の延命策は、たぶん…

恋愛は三年しかもたない。この話には、一応ばっちり科学的根拠があります。

恋愛中の独特の高揚感は、脳内でフェニルエチルアミンやドーパミンという快楽物質が特定の対象に対して選択的に生成されることにより発生します。フェニルエチルアミンは五感を鋭敏にする覚醒物質で、強い幻覚作用を持っています。ところが三年ほど経つと、全く分泌されなくなってしまいます。

何十年も連れ添えるカップルの脳内には、βエンドルフィンという別の快楽物質が分泌されています。βエンドルフィンは安心感やくつろぎ感を生む物質です。つまり、恋愛関係から仲良し関係にうまく移行したカップルだけが持続しているのです。これは、生殖後の子育ての段階で、安定した協力関係をオスメスが築くために、進化の過程でできた働きなのだろうと思います。

では、燃え盛る恋愛感情を特定の相手にずっと維持することはできないのでしょうか。

原理的には、催眠技術の記憶支配の手法で、三年分記憶を巻き戻してしまえば良いはずです。その間の記憶を全部飛ばせば、映画『エターナル・サンシャイン』のようになってしまいますから、特定の相手に対する気持ちだけを三年前の状態に選択的に巻き戻すのです。

「三年前の彼に会った時のドキドキが、彼を見るといつも湧いてきますよ。あの頃の良い気持ち、居ても立っても居られない気持ちが、彼を見るたびに、いつも心の中に湧いてきますよ」。

そんな暗示を三年ごとの契約更新のように書き込み続ければ、相手を求めて止まない強い恋愛感情は、(少なくとも存命中は)生き続けるのです。それが社会的・生理的にどのような結果に至るのかまでには想像が及びませんが。