妻が石原さとみに見えるようになる催眠?

テレビ番組で放送されて話題になりネットでもFacebook でも話題になっていた「妻が石原さとみに見える」催眠術は偽物で、催眠を掛けている間にその日の実際の妻と同じ服装をした石原さとみに入れ替わってみせるものでした。

その番組の面白さはさておき、現実に可能なのか考えてみたいと思います。まず、催眠状態の間は、元々ダンナの方が石原さとみのファンであるなどして、彼女を相応に具体的にイメージできるならほぼ確実に可能であろうと思います。見えている特定の人間を全く見えなくしてしまう「透明人間催眠実験」なる演芸技もあるぐらいなので、見えている人間を石原さとみにするのは訳ありません。

問題は、催眠状態から覚醒した後も、その状態を続けることができるのかどうかです。覚醒した後も続くのは後催眠暗示です。吉田かずお先生の吉田式催眠観では後催眠暗示は半永久的に継続するとされています。それはそうなのですが、全く非現実的なことを覚醒状態でも受け容れていられるかと言えば、多分無理でしょう。

しかし、現実に見えている妻に対して、石原さとみに抱くのと同じ感情を抱くようにする“摩り替え”はかなり簡単であろうと思えます。その延長線上に、「まるで石原さとみのような笑顔」や「まるで石原さとみのような愛くるしさ」を結び付けて行くことぐらいなら、私にもできそうです。そこまで行けば、厳密には「妻が石原さとみに見える」訳ではありませんが、「妻が実質的に石原さとみのように見える」ことになり、自分にとっての妻と石原さとみの相違自体が段々と気にならない認識に変わっていくのだと思われます。

吉田かずお先生は、憧れの女性像に依頼者の女性を成らせてしまう「美女催眠」と言う催眠を昔よく掛けたと言います。妻の方に石原さとみになる美女催眠を並行して掛けておけるなら、夫の「妻が実質的に石原さとみのように見える」後催眠暗示の完成度がより高まることでしょう。(最近の映画作品で石原さとみが妻を演じるのは『忍びの国』ですが、このような題材を十分見ておくことが、美女催眠の前提条件です。)