自己催眠活用のメリット

吉田かずお先生に催眠術を習うと、まず自己催眠の練習から始めることになります。多くの一般的な催眠術の入門書では他者催眠の技術、特に第三者を誘導する技術に紙幅が多く割かれているのが普通ですが、吉田式催眠では自己催眠が基本と考えられています。

他者催眠に比べて自己催眠には、優れた特徴があります。それは、当たり前ですが施術者が必要ないことです。施術者に報酬を支払う必要もありませんし、施術者と都合を合わせることなくいつでもできます。催眠の施術は反復すればどんどん誘導もしやすくなりますし、その深度も上がります。自己催眠は他者催眠に比べて、一定期間内に何度も反復することができ、じっくりと暗示を浸透させることに向いているのです。

日本よりも催眠と言う考え方自体が日常に根付いている欧米では、自己催眠の手法がよく活用される分野としては、「禁煙」、「ダイエット」、「不眠症解消」、「自信の確立」、「記憶力増強」が挙げられます。

たとえば、国内の書店でたくさん売られている「デキる人の生活習慣」についての書籍を見ると、毎日就寝前に自分の成功したイメージを手帳に書くなどと言った手法が紹介されていることがあります。どこにも「催眠」と言う言葉が使われていませんが、間違いなく自己催眠の手法です。

上級のスポーツ選手が行なうメンタル・トレーニングも自己催眠が核となっている手法であることがほとんどですし、受験対策の学習法などにも受験時の心の落ち着け方などが書かれていることがありますが、これも典型的な自己催眠です。このように、日本では、「催眠」と言う呼称こそされていませんが、自己催眠の手法は非常に頻繁に用いられているのです。