トラウマ治療の専門家である精神科医の先生に吉田式呼吸法を催眠誘導法としてお教えする機会がありました。催眠誘導法として吉田式呼吸法が高効果であるという評価を頂いた上で、その理由について意見交換しました。
その中で理由として推量されるのは、吉田式呼吸法が4つの誘導法の組み合わせで構成されているということでした。1つ目の要素はカウント法です。誘導の場面ではカウントダウンをし、覚醒ではカウントアップをしますが、定番の誘導法です。カウント法は、元来、対象者の体の部位を逐一指して弛緩したイメージを持たせることになっているので、吉田式呼吸法と原理的には同じですが、吉田式呼吸法の場合は、どのカウントでどの辺の部位の弛緩を行なうかの定番が存在します。
2つ目は観瞑想です。止瞑想の中にはカラダの内部の様子に注意を向けていくプロセスが含まれています。吉田式呼吸法でも(通常のカウント法でも部位ごとの脱力が促されていますが)かなり具体的な部位の具体的な脱力のイメージを順次抱かせるようにして進行させます。
3つ目は呼吸法です。通常よく言われる「4-7-8呼吸法」は、「4秒間、鼻からゆっくり息を吸い / 7秒間、息を止め / 8秒間、口からゆっくり息を吐く」というものですが、吉田式呼吸法では長さは厳密ではありません。力まずゆっくりと深い呼吸をするよう促すだけです。(吉田かずお先生は目安の時間長を説明することもありましたが、実践の際は全く一定ではありませんでした。)ただ、カラダの弛緩と並行して、深い呼吸を意識させます。
4つ目はイメージ法です。「カラダに綿が詰まった状態」や「ベッドに沈み込んでいくイメージ」などゆったりリラックスした自分のカラダのイメージを暗示として与え誘導します。
こうした複数の誘導法の要素を効果的に組み合わせているのが吉田式呼吸法であろうという結論に至りました。

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