人間の色々な形質の決定において遺伝の影響が非常に大きいことが、最近の研究によって判明しています。たとえば、「一般知能」は7割以上が遺伝によって決まっていますし、「音楽」や「執筆」などの能力も8割以上が遺伝です。逆に、「自尊感情」・「一般的信頼」などは3割程度しか遺伝によって決まらず、残りは後天的に決まることが分かっています。
先天的に決まっている部分が多い形質に比べ、後天的に決められる部分が多い形質は、後から無意識の中にあるプログラムを書き換えやすいのですから、催眠技術でも書き換えが容易であることになります。
「自尊感情」は自信にあふれた精神状態そのものです。それは自分でそのように思うことが困難な場合も、催眠技術によって簡単に書き込むことができます。以前、私が講師になったことがある「モテ塾」でも、催眠セッションの場で「自信が湧いてくる」、「自分がビッグに思える」と言った趣旨の暗示を入れることがありましたが、入りも定着も非常によかったことが思い出されます。
デキるビジネス・パーソンや意欲的な経営者の間では、自分に自信が持てる主旨の言葉をメモしたり唱えたりする簡便な自己催眠の技術が使われていると、多くの自己啓発系の書籍にも書かれています。
実際、うつなどで発生する落ち込んだ気持ちは、「自信を持つようになる」暗示の書き込みで簡単に解消することが多いです。また、「緊張してプレゼンが上手くできない」などの状況に対しても、この暗示の書き込みは有効です。
このように「自尊感情」を形成する催眠施術の応用範囲はとても広いのです。
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