吉田かずお先生の催眠の考え方「吉田式催眠観」に拠れば、瞑想も自己催眠の一種です。マインドフルネス(/マインドフルネス瞑想)やメンタルトレーニングを始め各種の自己啓発・自己変革手法を経験する人々の増加に伴って、自己催眠に関心を持つ人々が増えているように感じます。それらの各種の手法で結果を得られなかったと感じる人々の一部が、より深く研究しようと自己催眠技術に辿り着くといった流れであるようです。
自己催眠は自己流で取り組んで、多くの人々が失敗を重ねる典型的なテーマです。失敗の最大の原因は取り組んでいる人々が「催眠状態」というゴールをきちんと体験したことがないままに練習を重ねることです。それはまるで「山頂を知らずにふもとをさまよう」状態になるからです。
この解決方法は簡単です。一度、催眠技術を使いこなせる人間から催眠をかけられて、深い催眠状態を体験すればよいのです。つまり他者催眠でまず「深い催眠状態」というゴール位置を理解するのです。これで自分の行なっている自己催眠が結果を生んでいるかどうかの判定が自分でできるようになります。
さらに、その催眠技術者に「これからは自己催眠でどんどん深い催眠状態に必ず入れる」と暗示を書き込んでもらうとよいでしょう。ほとんどの人が、その書き込みが終わった瞬間から、自己催眠でいきなり深い催眠状態になれるようになります。
もともと自律訓練法を独学していた方は、「公式」と呼ばれる7つのステップのどこかで躓き、そこから先に進めない状態になっていることがあります。その場合は、その躓いたステップやその前のステップを催眠技術者の施術で再現してもらうとよいでしょう。この場合も、そのステップを催眠状態でどのようになるかを体験しておくことにより、確実に先に進めるようになるのです。
仏寺の修行などで伝統的な「行(ぎょう)」と呼ばれる“作業に没入すること”による自己催眠の手法はより簡便ですが、事前に深い自己催眠状態を実現できるようになっておくと、「行」の没入もより深まるようです。
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