吉田かずお先生は、対象者を深い催眠に入れて、彼が「チャネリング」と呼ぶ催眠技術をショーで見せることがあります。
深催眠状態の対象者に人形を見せて、「この人形のカラダはあなたのカラダです」と暗示を入れて人形をくすぐると、人形のくすぐられた部位を、対象者もくすぐったがります。ここまでは、特段不思議なことではありません。
ところが、人形を持って対象者の後ろに回り込み、同じことをしても、対象者は見えもしない人形のくすぐられた場所をくすぐったく感じるのです。さらに、「さあ、くすぐりますよ」と言わずにくすぐっても、対象者はちゃんと反応します。ここには何のトリックもありません。
修験道で修行した山伏は遠方の山に居る他の山伏の存在を感知することができると言います。オーストラリアのアボリジニにはテレパシーのような意志の伝達手段があるなどとも言われています。そのような凄い能力ではなくても、視界に入っていなくても、誰かの気配を感じることは誰しもあることでしょう。
ネットで「チャネリング」の意味を調べると「常識的な通信手段ではできないような情報のやり取りを行なうこと」のような定義が見つかります。吉田先生の「チャネリング」は、“通信”とはイメージが異なりますが、深催眠によって理性のタガを外されて、人間が潜在的に持つ“気配を感じる能力”が発揮された状態と解釈するのが妥当であるように思います。
参考書籍:
『霊術家の黄金時代』
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