脳の覚醒率が100%に近づいたらどうなるのか… 『LUCY ルーシー』 (2)

スカヨハ演じるルーシーは、脳の覚醒率が高まるにつれて、人間性を失って行くと言われています。劇中では、はすっぱなおねえちゃんが哲学的発言を落ち着いた態度でするようになるだけです。参禅だって自己催眠体験ですので、何かの悟りに至ったと考えれば、劇中の覚醒率50%を待たなくても、実現してしまいそうです。

同程度の覚醒率で、銃を構えた多数の敵をいきなり眠らせたりもします。これも日本独自の催眠技術と吉田かずお先生が言う古武術の技や、高度な瞬間催眠の技術と考えれば、一応アリです。

電子機器の自由自在な遠隔操作は辛そうですが、催眠状態の脳からは何かの波動が周囲に伝わっていると言う考え方もあり、一概に無理とも言えません。催眠実験中の照明異常などの現象は一応記録にあります。コントロールは無理でも、干渉まではできるのかもしれません。

銃創から平然と銃弾を素手で抉り出すシーンがありますが、これは、ポピュラーな感覚支配で、ほぼ実現できそうです。最大の無理筋は、大勢の敵を宙に浮かせる念力でしょう。

こんな風に、実際の催眠技術と比較すると楽しい映画です。ただ、一番楽しいのは、パンフに書かれている撮影裏話です。覚醒率が高い状態の撮影時に、スカヨハはロケ地への移動による時差ボケで、ボケ顔だったと言うのです。よく考えると催眠状態は微睡も含んでいますので、さもありなんです。