ダイエットの本は無数にありますが、読むこと自体でやせると言う本はあまりありません。今では、『千里眼』シリーズや映画化もされた『万能鑑定士Qの事件簿』シリーズで知られる作家、松岡圭祐氏は遥か以前“催眠パフォーマー”などと呼ばれ、テレビにも出演した催眠術師でした。その彼の著作に『読むだけでやせる―驚異の催眠ダイエット』があります。
今は絶版となっていますが、この本は前半で丁寧に催眠の原理を説明しています。そして、後半は読むことによってダイエットの効果が出る“催眠小説”です。
集中した読書の状態、特に音読・朗読の際の心理状態は、変性意識の一種です。そこから暗示を読み手に書き込む、他に例がない構造を持った書籍です。実体験者もいますので、少なくとも効果がでることはありそうです。
苦労なく、苦痛なく、日常の生活を変えることなく、ダイエットしたいと言う多くの人々に最適の方法に見えます。ただ、この本が実現しているのは、ダイエットの可能性だけではありません。
読むだけで催眠をかけられるのですから、「読むだけで自社商品が欲しくなる暗示を書き込むリーフレット」も技術的に可能であるはずなのです。CDの音声による催眠は知られていますが、文字情報による催眠技術は、あまり見られません。この本はその貴重な事例なのです。
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