夫婦で30年以上、歯科医を開業してきていますが、夫は糖尿病が若い頃からひどく、不摂生な生活を送ってきたので、脳出血を何度か重ねてしまい、体に麻痺が出て、歩行も困難な状態になり、記憶も途切れていることが見られるようになってから7、8年が経ちます。デイケアに週に4日通っていますが、家ではベッドに横たわったままで、運動することがほとんどなく、デイケア施設で指導されている書道も、家では道具を用意しても一切行ないません。
脳に刺激が少ない生活が続いているせいで、認知症の症状が明確になってきました。また、運動量が少ないので血糖値も下がらず、食事療法も限界が来ていて、状況を少しでも改善する糸口を求めていました。
そんな時に、私の10年来の掛かりつけの患者さんでもある石川氏が催眠術を勉強をしていると聞いて、相談することにしました。
私の所見を述べつつ打ち合わせを重ね、三回のセッションを行なってもらいました。暗示の内容は幾つかのバリエーションがありますが、基本的には「体を動かすと気持ちいい。どんどん動かしたくなる」、「体を動かすと、体重も減って、どんどんやせられる」と言う、本人も気にしている部分に直接的な効果を狙ったものです。石川氏はほぼ初対面の夫とも話題を合わせ、非常に丁寧に接してくださったので、気難しい夫も石川氏と話をするのを楽しみにしていて、施術もすんなり受けました。
一回目の施術の翌朝、目覚めるとベッドから自分で上半身を起こしていました。二回目、三回目と施術を重ねるうちに、杖を離すことはできませんが、自力でお手洗いにも行こうとするようになり、機嫌もよく、会話がきちんと成立することが明らかに増えていきました。
石川氏は、「もっと効果が出てもよさそうな気がしますが、私もこのような麻痺や認知症の方に施術するのが初めてなので、これぐらいしか改善が出ないのかもしれませんね」と残念そうでしたが、私にとっては、今まで徐々に悪くなっていくだけの症状に歯止めがかかり、夫の状態に改善の兆しが見えてきたことは、心の救いになっています。今後も、定期的に相談にのってもらおうと思っています。
※催眠施術は医療行為ではありません。あくまでもお客様個人の感想であって、ヒプノテクスS&Lとして、その効果を約束するものではありません。
最近のコメント