ふさぎ込む高齢者を、多幸感を湧かせる後催眠暗示で蘇らせる!

以前、『催眠技術で高齢者に運動の習慣を作る!』
http://hypno-techs.saimin-seminar.com/?p=504
と題して、高齢になって家では寝たきりになることが多く、認知症も進み始めていた男性歯科医に運動習慣を催眠で書き込んだ話を紹介しました。

介護が不要なレベルでも、家族の一員が加齢でふさぎ込みがちになったり、常に不機嫌になったり、つい愚痴や陰口が多くなったりすることを、負担に感じている方々は多いようです。

「70歳の母が出掛けもせず家にこもりきりになっていて、ずっとふさぎ込んでいて食欲も失っている。認知症外来には通っているが、自分のしたことを忘れることが増えてきて、事実無根のことを古い友人数人に電話して吹聴し始めるようになった」と知り合いの女性から先月相談を受けました。

依頼の性格上、本人には「気持ちがスッキリするリラクゼーション」と言う名目で、2回のセッションを行なうこととしました。1度目は、被暗示性の確認も兼ねて、「深呼吸をすると、嫌なことがどんどん体の外に出て行って、楽な気持ちになる」と言う後催眠暗示を忘却させつつ入れました。覚醒後に、「一日に数回、伸びをして深呼吸するだけでも、気持ちがよくなりますよ」とアドバイスしました。

1度目の翌日から、面倒に感じていた犬の散歩にも出かけるようになり、話す声に張りが出て来たと知人からメールが来て、早速翌週に2回目を行なうこととしました。

今度は「家族や周囲の人々が皆自分を助けてくれて、一緒に居てすごく嬉しい。会って話していると、ありがたい気持ちになる。周りの人々に対してありがとうの気持ちが湧いてくる」と後催眠暗示を忘却させつつ入れました。

そうすると、二人のお孫さんとよく遊ぶようになり、幼稚園のお迎えにも行くようになり、食事も家族と一緒にきちんと食べるようになったとのことで、周囲からも「表情も血色もよくなって、何があったの」と聞かれるほどだと、知人から事後報告をいただきました。

物忘れそのものにも微かな改善が見られたとのことで、日々の生活を直接改善できたことは、私も嬉しく感じました。