キレる高齢者の頭の中

「どのような相手に対しても共感的に振る舞い、人間として尊重し、認めて行くという機能はとても高度なもので、前頭葉の眼窩前頭皮質という領域で行われています。
ここは25~30歳くらいにならないと成熟せず、さらに、しっかり発達させるためには、相応の刺激(教育)も必要になります。また、重要な部分なのに、アルコール摂取や寝不足といった理由で簡単に機能が低下してしまいます。しかも、その機能が得られるまでには人生の3分の1近い長い時間がかかるのに、衰えてしまうのは早いのです。」

中野信子の『人は、なぜ他人を許せないのか』に書かれている文章です。この機能が衰えていくと、考え方は元々自分が持っていた考え方に固定化されて行きますし、自分の考え方が相手にどう受け止められているかを想像することが困難になって行きます。中野信子はこれが最近よく報道される「キレる老人(本文中の呼称)」の原因の一つであると考えることができると述べています。

以前、このブログの『催眠技術で高齢者に運動の習慣を作る!』や『ふさぎ込む高齢者を、多幸感を湧かせる後催眠暗示で蘇らせる!』の記事で紹介したように、高齢者への催眠施術には一定のニーズがあります。それらの施術で書き込む暗示は、一定の効果を挙げますが年単位の時間と共に衰えは進行し続けます。高齢者が抱えがちな“幸せではない時間”の到来を先延ばしにする技術と呼べるかもしれません。キレる高齢者対策も、同様な位置づけで催眠施術が役立つことと考えられます。

また新たな高齢者向けの催眠施術のサービス・メニューが見つかったように思えます。