「子供が好きになる」という催眠暗示

多くのプロのダンサーはダンスをステージで披露するだけでは十分な収入を得られないことがあり、ダンススクールでのレッスンのインストラクターを勤めていたりします。そんな一人と話をする機会があり、催眠をかけて欲しいというので、悩みごとは何か尋ねました。それは「クラスに来ている子供達を指導するのがとてもストレスになり、楽しくなれない」でした。

20代後半で未婚の彼女には自分の子供を持った経験はなく、他人の子供を預かってダンスを教えても、子供たちが真剣に学ぼうとしていないように感じることがストレスなのだそうです。たとえば公園で遊んでいる子供を遠目に見ても微笑ましく感じると言いますが、電車で子供がわんわん泣いていると苛々してくることもあるそうです。多分、自分自身がどちらかというとストイックな性格なので、「我慢できない子」や「努力を真剣にしない子」を見るのが嫌なのだろうと自己分析していました。

それでも喩え純粋に収入のための仕事でも、強いストレスや嫌悪感を抱えながら行なうのは望ましくありません。そこで、個々の子供達が成長するのは嬉しいかと尋ねると、「それは勿論」という答えだったので、「子供達を見ているとだんだんできることが増えていくのが分かって嬉しい」という暗示を二度に分けて書き込みました。二週間後に再び彼女に会う機会がありましたが、ストレスをほとんど感じなくなったと言っていました。

児童虐待は新型コロナ禍で増えていると言います。言うことを聞かない子、泣き止まない子などに苛立ち、それを抑え貯め込むことで、余計精神的に負荷がかかる。そんなことがきっかけで始める児童虐待も多いようです。子供が好きになる催眠暗示や子供見守ることができる催眠暗示には、意外に社会的なニーズがあるのかもしれません。