イップスについて考えてみる

先日、「催眠でイップスに対応できますか」という質問を受けました。私自身が「イップス」を知らなかったので、その方に「ゴルフとかのスポーツで、緊張してしまって、いつものプレーが思うようにできなくなることです」と教えてもらいました。そして、「それなら、『深呼吸で深いリラックス状態になる』とか『イメージ通りに体が動く』とか、逆に『何にも気にならない。特に何も問題ない』とか、何かの暗示を入れることで、対応できそうですね」と私も気楽に応えました。

あとで、ウィキで見てみると、気になることが書かれていました。イップスとは職業性ジストニアのことで、そのジストニアは「中枢神経系の障害による不随意で持続的な筋収縮にかかわる運動障害と姿勢異常の総称。脳の大脳基底核、視床、小脳、大脳皮質などの活動が過剰になる異常が原因とされる運動異常症の症候名である」とあります。

つまり、まずジストニアが発症して状態になって、実際のプレーで失敗するなどを不安に思うことは、ジストニアそのものの発症後に起きる心の状態でしかないということのようなのです。さらに、遺伝的要素が強いという説もあるようです。そうなると、催眠技術で「イップスが起きるかも」という不安を緩和することはできるでしょうが、根本的な解決ができるかどうかはかなり怪しいことになります。

原因は、遺伝的なものなのか、同じ動作を過剰に繰り返すことによる脳の構造変化なのか、それとも、プレーにあたって感じるプレッシャーで普段は何も考えずにできていることが急にできなくなってしまうというだけのことなのか。諸説があり、決定的な治療法も確立されていないようです。

それが遺伝的なものであれ、脳の構造的な問題であれ、緊張やプレッシャーが引き金になっているのなら、それを感じないようにすることは催眠技術で何とかなりそうです。そこまで調べて検討してみた結果を後日質問者に回答しようと思っています。