『SPA!』(2024年11月19日号)に『「コンビニ化する精神科」の闇』という記事が掲載されています。
記事に拠れば、厚生労働省の統計で1996年には全国に3198軒だった「精神科を標榜する診療所」が2020年には7223軒に増えています。同期間に精神科だけでも1295軒から3599軒、精神科と心療内科の合計では1342軒から4318軒の増加です。
記事は「まるで『コンビニ』のように短期間で分院していくつも開院するクリニックが次々と登場している」と言い、「患者の話を聞くのはほんの数分」、「患者に望まれたとおりの薬や診断書を発行する」という質の低い医療が深刻化していると断じています。
さらに、そうした薬剤の処方によるビジネスも、厚労省の方針により調剤報酬も低くなったため、患者の数を増やすためにリピーター化(つまり依存)させることや、患者の支払金額を増やすために保険外の心理検査や不要な高額カウンセリングを受けさせるなどの手法が見られると書かれています。
この背景には、もちろん依存性の高い抗不安剤を入手して転売するなどの悪意ある需要もあるでしょうが、記事では純粋に「精神障害者’11年の約320万人から’23年に約615万人と、ほぼ倍増している」ことを主要な要因として挙げています。
精神科の患者が低質な精神科などにかかればリピーター化しますから、治癒して患者数の現象が起きなくなるはずです。単純計算で新たな患者が加われば患者数の統計値はどんどん増える一方でしょう。
吉田かずお先生は「おかしくなった心の状態は、結局催眠でしか治せない」と生前喝破していました。先生の言う「催眠」には自己催眠も含まれ、例えば作業や勉強、習いごとに没頭するようなゾーンなどの精神状態もその自己催眠に含まれます。仕事や勉強、学びの場やスポーツの場を長く経験する機会が、いわゆる「体験格差」の広がりで得られにくい人々が増えているという分析も成立しそうには思えます。
いずれにせよ、カネと貴重な時間を無駄にして心が止んだ状態を長引かせることに何のメリットもありません。催眠の技術ならこうした状況の打開を図れる可能性が大きいのです。
最近のコメント