ディーン・ラディンの予感実験

米国の超心理学者のディーン・ラディンが、人間の指先の電気の流れやすさから心理的興奮を図る生理測定器を開発して行なった、「予感実験」と呼ばれる人間の予知能力を証明する実験について、『「超常現象」を本気で科学する』に書かれています。

生理測定器を着けた被験者に、事故・火災現場や危険な生き物の姿などの「恐怖をあおる画像」と、美しい自然風景や可愛い小動物の姿などの「平穏な画像」をランダムにモニタ上で見せます。測定される興奮度は前者を見れば上がり、後者を見ると下がります。ここまでは当たり前の結果です。ところが、ラディンの実験では、「恐怖をあおる画像」については表示3秒前のブランク画面を見ている段階から、興奮度が上がることが発見されました。

被験者は表示前からの自分の興奮度の高まりを全く意識していないので、「被験者の無意識のみが怖い画像を感知して、いち早く体を準備態勢にしている様子」が確認されたと本は説明しています。

米国の超心理学の中ではこうした超感覚的知覚(ESP: Extra-Sensory Perception)を「意識的知覚が働く前の段階で自分の身体周辺で意味ある情報を無意識的に検出する能力」と言う意味で「初期視覚」などと呼ぶこともあるようです。

無意識をコントロールする体系的技術である催眠技術で、人間の持つこのような無意識の力を通常以上に引き出すことが可能だと、吉田かずお先生は仰います。現実に、催眠状態を何度も経験した結果、元々予知夢を見る人物が、より鮮明により多くの予知夢を見るようになったなどの事例を私も知っています。人間のこうした潜在的能力を引き出すことにも催眠技術は使えるのです。