“メタ催眠” 活用のすすめ

吉田かずお先生は、「催眠術をマスターするなら、他者催眠の誘導の形ばかり練習するのではなく、まず、自己催眠もうまくなっておかなければならない」と言います。

最近“リラックスできない人”が増えていると聞きますが、私もその一人です。ボイス・トレーニングの初回のレッスンで、「まず、リラックスして…」と指導されましたが、リラックスができなくて、結果的にレッスンを受けることを諦めました。

「お風呂にゆったり使っているような気分」と言われても、シャワー派なのでダメです。「海にプカプカ浮かんでいるような感じ」と言われても、インドア派で海水浴には行きませんし、カナヅチなのでイメージできません。その他のリラックスのイメージも全部ダメでした。

こんな私ですので、リラックスを前提とする弛緩系催眠の手法で、自己催眠ができるようになる訳がありません。吉田かずお先生の催眠でさえ、浅くしか入りません。唯一リラックスするタイミングは、就寝時だったので、寝ながら「自己催眠がうまくなる。眠り込むときなら、必ず自己催眠が入る」と暗示を入れてみました。これが功を奏し、今は眠るときだけ弛緩系の自己催眠が入れられます。

起きているときは、緊張系の催眠で自分にストレスを掛けながら暗示を入れています。この時も「今ここで何とかしないとダメだ。そういうことは今までもできた。今回もできる」と、暗示が効き易くなるような暗示から入ります。

入れ子構造の状態をメタと表現します。「言語を記述する言語」はメタ言語です。だとしたら、「催眠がうまくなる催眠」はメタ催眠です。そう言えば、吉田先生は、自己催眠のセミナーで、一頻り自己催眠を教えた後に、参加者に「自己催眠がうまくなる他者催眠」を必ず掛けているのを思い出しました。