人を操る催眠。しかし、それ以前から人を操っているモノ…

施術の際やセミナーの場では、ラポール形成のために、催眠技術の原理の説明を念入りにするようにしています。説明すると、一部の方が「人をどうとでもできる危険な技術ですね」と仰います。確かに危険な側面は否めませんが、自動車もインターネットも原発も、それらを危険なものにするのは使用者本人です。危険さも分かっていただいた上で、信頼できると思える人から施術されたりすることが大事なのだと思っています。

『何をやっても続かないのは、脳がダメな自分を記憶しているからだ』と言う本を読むと、人間の行動が“固定した行動パターン”によって支配されていることが分かります。

「人には一日のうちに、習慣となっている『固定行動』があるのですが、それを見れば未来の行動が事前に予測できるというのです。たとえば、朝起きる時間、歯を磨くなどと固定行動ごとにグループ化していくと、1日50個程度の固定行動のパターンが見つかります。その人の朝の6つの固定行動を見れば、1日の行動が90~97%の確率で予想できる…」。

この「固定行動」ができあがる過程に関心が湧きます。朝テレビで流れていた曲を、何かのきっかけで突然口ずさんでしまうことがあったりします。理由も分からず、ボソリと独り言をいうこともあります。「固定行動」は自分で意識的に作ったものばかりではないはずです。

催眠技術は対象者の無意識のプログラミングの書き換えるものですが、催眠によって書き換えられる以前から、本人の意思とは全く関係ないところで、人間は操られていることがよくあると考えるべきであるように思えます。