組織全体の活力を生みだす催眠技術

人間の無意識に命令を書き込むのが催眠技術ですので、その応用範囲はビジネスの中にも広がっています。たとえば、鬱の発生の抑制も可能だと考えられます。

単純化は危険ですが、原理だけでみると、自分の無意識に対して仕事や職場でのネガティブなイメージの書き込みが原因と想定できます。心療内科などでも医師によるヒプノセラピーが行なわれているケースもあるようですので、当然、発生した鬱の患者に対する個別の治療は、催眠技術も含め医療の範疇です。

一方で、催眠技術を用いて、普段から社員に、仕事や職場に対してポジティブなイメージを持たせておくと、メンタル面の健康管理はかなり楽になることでしょう。これは、仕事に関しては「やりがいがある仕事だ」と言う暗示を、職場に関しては「自分が役に立って評価されている」と言う暗示を、日常から社員の無意識に書き込んでおくことを指します。

一般の弛緩系の催眠では、ラポール形成が重要なので、多くの社員に一気にかけることがなかなかできません。「催眠」と言う言葉を使うことなく、キャリア観や仕事観を形成するための研修と言うテーマ設定で、スピーチ型の催眠技術を使うのが、不自然さがなく受け容れられやすいでしょう。

できてもほめられることがなく、できないと非難されることばかりの“インフラ型”の仕事は鬱を生みやすいという説もあります。そういう職場でこそ、普段から催眠技術の活用で、活力のある職場づくりをしたらよいでしょう。