防げない不倫 対応策があるとすれば…

帯に「なぜその人を選ぶのか? 動物行動学で明かす色気・魅力・相性の正体」と書かれた『女は男の指を見る』には、「遺伝子が自分のコピーをより多く作ろうとするために、不倫は必然」と明快に論じています。

また、『はじめての不倫学』は、不倫を「誰もが罹り得るインフルエンザ」のように捉えて社会的な不倫対策を論じています。芸能人の不倫が報じられるたびに、ネット上でバッシングが展開されますが、不倫はこれらの書籍が論じるように、遺伝子に組み込まれた命令が、何かの条件が整うと発動した結果と考えた方が、現実的に見えます。

精子をほぼ無尽蔵に作れる男性は、生物の基本形である女性が自分の遺伝子をできるだけ多くの他の女性に配るために作った“遺伝子の運び屋”ですから、男性の不倫欲求は原理的には見境がありません。これに対して、一生の受精数に制限のある女性の不倫の発動メカニズムは、かなり複雑です。

パートナーのいる女性は排卵期には遠出し、パートナーのいない場所で独りで過ごすことが多く、パートナーのいない女性は非排卵期に遠出し、一人でいることが多い。これは、『女は男の指を見る』が紹介する女性の月経周期と移動パターンの関係です。

パートナーがいる女性は、今のパートナーより優れた遺伝子を持つ男から受精する機会を求め、パートナーのいない女性は、間違った受精を防げるよう“お試しセックス”の確率を上げていると同書は説明しています。もちろん、女性本人が意識せずにこの現象は起きています。つまり、無意識に起きていることです。

そして、男女ともに、誰を好きになるかは無意識が決めています。不倫インフルエンザの根本的な対応策は、どうも無意識をプログラミングできる催眠技術であるように見えます。