運動指導に活用される催眠の技術

このブログの100番目の投稿は「運動指導と催眠技術の関係」です。

子供や老人に運動指導をしている女性と、先日お話ししました。運動に対するやる気を起こさせるコツは、「運動を楽しいと思う実体験をさせること」だそうです。運動習慣は脳にも各種の良い効果があることが知られていますので、やる気が起きて、運動を続けるようになることは、人生と宝とさえ言えるでしょう。

そこで、問題は「運動を楽しいと思わせる仕組み」です。チクセントミハイが名付けたフローの話を私がしました。フロー状態は、米国の心理学者セリグマンによれば、「快楽に耽ること」と並ぶ、人間が感じる悦楽の一つです。フローの発生条件の三つ、「注意を完全に注ぐ挑戦があること」、「その挑戦に見合う能力を有していること」、「行動の各ステップにおいて、結果のフィードバックがすぐに得られること」が、早期に実現すれば、愉しい運動は習慣化しやすくなるものと思われます。

特に、フロー状態は変性意識状態の一種ですので、自信や楽しさ、やる気についての暗示もその場で書き込んで行くことができます。その具体的テクニックについて楽しく議論できました。

それから、私は「アンカー」の話もしてみました。「フロー状態の快楽をまた体感したくなる」と言う暗示を書き込む機会があるのなら、それにアンカーを加えれば、より強固に暗示が毎回発動するようになるはずです。ホイッスルの音でも良いでしょうし、手を叩く動作でも良いでしょう。最近ではラグビーの五郎丸選手の独特なポーズのルーティンも有名になりましたので、そのようなものを具体的に話し合って決めるのもよいと思いました。

雑談半分の議論から、私も運動指導の分野での催眠技術の使われ方に関心がちょっと湧いてきました。