映画化もされた『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』という本には、著者の学習塾講師、坪田信貴氏が、お世辞にも成績が良いとは言えないような学生の指導の中で用いるノウハウがふんだんに紹介されています。その中に、人は「何回言えば、分かるのか」の答えが示されています。
答えは「約500回」です。
勿論、ただ言って聞かせるだけならと言う前提付きです。そこに、本人の関心の度合いや、教え方や復習のさせ方など、色々なパラメータがあって、その設定によって、500回が激減するケースもあることでしょう。しかしながら、最悪500回があり得るということです。
企業においては、社員のスキルの向上や知識の拡大を狙って、役職の階層別や職種別などの各種の研修を行なっていることがあります。必要度が非常に高いスキルなどを除いて、その多くは一人の社員に一つのテーマの研修を一回受けさせることの記録の積み重ねで管理されています。つまり、一人の社員に一つのテーマは一度しか教えられないケースが多いということです。よほどの工夫がなされないと、その研修のコストのほとんどは無駄になってしまうことが分かります。
同様に、子供の学校教育でも、毎日の教室の勉強に重ねて、予習と復習をするように子供たちに指導がなされています。しかし、予習と復習の組み合わせだけで、1回の当日の教室の学習効果を、1回言って聞かせることの500倍の効果にまで引き上げるのはかなり困難でしょう。
催眠技術なら、学習効果を大きく引き上げ、学習に必要な回数を一気に小さくすることができます。仮に、催眠技術なら一発で学習させることができるケースなら、「催眠技術は、ただ言って聞かせることに比べて、500倍の伝達効果のあるコミュニケーション術」とも見做すこともできるということに一応なります。それも、大掛かりであけすけな催眠施術ではなく、学習に向かう動機付けを付加するなどの、催眠技術の原理だけを企業や教室の学習の場に採り入れることもそれほど難しくないのです。
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