マインドフルネス瞑想と催眠誘導

本来分子生物学者であるジョン・カバット・ジン氏が提唱したマインドフルネス瞑想に拠るストレス低減の方法論は非常に有名になり、マインドフルネスが瞑想の一種だとの誤解が広がるほどになりました。

一般に知られた瞑想には、呼吸状態などの或る特定の対象に注意を集中させる止瞑想(サマタ瞑想)と、あらゆる体験を評価せずにありのままの状態で観察する観瞑想(ヴィパッサナー瞑想)の二種類があると言われています。

マインドフルネス瞑想は、5つの瞑想方法の組み合わせで成り立っています。1つ目は呼吸に注意を集中させる「呼吸瞑想」。2つ目は呼吸から音や感覚、思いや感情に注意を集中させる「座位瞑想」。3つ目は爪先から頭まで順番に注意を集中させる「ボディスキャン」。4つ目は動作の中で身体に注意を集中させる「ヨーガ瞑想」。5つ目は日常の生活の動作、歩行、食事などに意識を集中させる「生活瞑想」です。

一般にマインドフルネス瞑想は観瞑想のタイプであると言われていますが、比重がそちらにおかれているだけで、全体がすべて観瞑想と言うことではありません。呼吸瞑想から座位瞑想、ボディスキャンに至る部分などは、一か所に意識が集中する止瞑想であろうと考えられます。

実は、呼吸瞑想から座位瞑想を経てボディスキャンに至る流れは、吉田式呼吸法の催眠誘導と原理的には全く同じステップとなっています。吉田式呼吸法でも、対象者に最初に吐息に意識を集中させ、その後にまずリラックスした体の状態を確認させます。そして、そこから体の各部位から緊張がなくなっていくことを確認させるのです。

吉田かずお先生の定番の誘導法が、マインドフルネス瞑想の止瞑想から観瞑想に至る流れと同じ原理であることを興味深く感じます。