「片づけができるようになる」 連続施術、進行中!

軽度のADHDと診断されている30代の主婦から相談を受けました。基本的に多動性全般などを抑制する暗示はありません。ただ、そのような症状の結果、起きている事象単位で改善をすることはできるものと考えて、相談に乗りました。

すぐ思考や関心の対象が次のものに移ってしまうため、片づけができず、部屋が散らかったままになります。すると、必要なものが探し出せなくなり、探し出せないから何かをするのに時間がかかるようになり、様々な未完了の事柄が放置される結果になる。だからさらに、落ち着いて何かに取り組む時間が無くなって、片づけもできなくなる。こうした悪循環が顕著なようでした。

伺ってみると、汚部屋と言われるような悪臭もするレベルではありませんでしたが、本や小物、衣類などが床中に散乱し、足の踏み場がなく、座る場所もいちいちモノを押しのけて作るような状態でした。「モノを片づけたくなって仕方がない」と暗示を入れるのは簡単ですが、現実に簡単に完了する見込みの行動を暗示で入れてしまうと、「やれない自分」を責める“逆催眠”が起きてしまいます。

そこで、全5回に分け、暗示を積み重ねていく了承を得ました。
1回目:「深呼吸をすると、心が落ち着いて、じっくり考えられる」です。

そして、部屋の一角だけでもそこの物品を仕分けしてあるべき場所に戻すことをしてもらって、その経過を動画で撮って見直してもらうこととしておきました。
2回目:「片づけはやれば簡単にできる。終わると片づいて気持ちいい」。
3回目:「本と衣服は使ったら元の場所に必ず戻して、本屋さん・服屋さんのようにする」
4回目:「床に物は絶対におかない」。

これで漸くモノが散乱する回路が遮断できました。この状態で片づけが一応できる体制が整いましたから、次回の最終回には、ダメ押しに、
5回目;「片づかないものを見ると、すぐ片づけたくなって仕方ない」を入れる予定です。

☆関連書籍:『何をやっても続かないのは、脳がダメな自分を記憶しているからだ