集中力・記憶力を伸ばす催眠技術

吉田かずお先生が出している催眠CDシリーズの中の人気タイトルに「集中力を上げる」があるので、CDではなく、対面での施術の際にはどのようにするのか聞いてみました。

「集中力を上げるのも、記憶力を上げるのも、やり方が実際には一緒だな」と先生は言います。単純に原理上のステップを書きまとめると、最初に催眠体験をしてもらいます。これは、催眠の有効性に対して確信を持ってもらう意味が大きいようです。変性意識状態のままで、手が上がらないなどの暗示を入れて効果を確認してもらいます。

その後、覚醒させる前に、「目が覚めて本を読んでみたら、どんどん集中して読めて、そこに書いてあることが何でも覚えられる」と言った暗示を入れます。覚醒させた後、実際に本の見開きを見せて黙読してもらい、タイトルや見出しなど、主だった部分の記憶を確かめます。暗示を入れてあるので、本人が思っている以上の記憶内容が確認されます。

そこで、再び催眠誘導し、「間違いなく集中力が上がった。どんどん覚えられる。これからも、目が覚めてもどんどん覚えられる」と言った暗示を入れるようです。

当たり前のことですが、本人が強く疑っていることや否定していることは、暗示で入れようとしても、余程深い催眠に入っていないときちんと入りません。集中力や記憶力を上げる際に、自分のそれらの力が伸びているという実感を持たせておいて、それを固定化するように持っていくのが、集中力や記憶力を伸ばす催眠技術の方法論だったのです。