「通常、未来の母親は、予定日数週間前に最初の催眠療法を受診し、出産に対する考え方をリフレーミングします。次に、出産時に用いる自己催眠のさまざまな技法を教わります。(中略)
妊婦は分娩時に、自然に起こる痛みを、「陣痛」といった「痛み」と関連した言葉で考えるではなく、押されている、あるいは波が打ち寄せている、というイメージでとらえるようにうながされます。(中略)
成功の確率を高めるために、妊娠後できるだけ早く催眠療法を受けることが望まれます。これは妊婦が催眠の効果に早い段階から親しむということだけでなく、妊娠初期のつわり、不安、倦怠感を取り除くためにも推奨されます」
マイケル・ストリーターによる『催眠の謎』に紹介されている女性の妊娠と出産の過程における催眠技術の活用についての説明文です。感覚を支配することができるのも、催眠技術の一つの分野ですから、妊娠・出産における痛みや不快感、そして不安や倦怠に関する印象や感情をコントロールするのは、原理的にはできて当たり前です。しかし、このような催眠技術の活用が、普通に語られていることに驚かされます。
日本でヒプノセラピーと言えば、どうしても、トラウマの解消のための退行催眠の話などや、スピリチュアル系の前世退行催眠の話が連想されてしまうように思います。もしくは、鬱の症状などの緩和などの施術が浮かぶかもしれません。しかし、催眠技術の応用の範囲は広く、それが欧米ではこのような分野にも使われていることが分かります。医療との業際上で法的な問題はあるものの、実用催眠の技術は様々な分野に普及すべきだと思っています。
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