辛い記憶や嫌いな自分を忘れて楽になる 忘却催眠の活用

先日、久々に会った吉田かずお先生が…
「ヒプノ・セラピー系の相談に対する施術は、ほとんど全部、抱えるには重すぎることを忘れさせる忘却催眠が基本のように思うぞ」
と仰っていました。

トラウマとなっているような過去の辛い事件や事故のみならず、人間関係上の些細な出来事が気になってしまっていることや、コンプレックスとなっている自分の短所など、気にならないように忘れてしまえば、心の枷が取れて楽になれます。

催眠の技術では、一般に退行催眠で記憶を遡り、過去の問題を見つけ出して克服させようとすることが多いようですが、それでは、施術のたびに、対象者が嫌な過去と向き合わねばなりません。特定の記憶を明確にした上で対処するのではなく、そのような嫌な記憶全般について、気にしないようになることで、結果的に自然に忘れ去るように、吉田先生はすることが多いと言います。

中島みゆきの『寒水魚』と言う古いアルバムの中の『傾斜』と言う曲に、
「忘れっぽいのは素敵なことです。そうじゃないですか。
悲しい記憶の数ばかり、飽和の量より増えたなら、忘れるよりほかないじゃありませんか」
と言う歌詞があります。

総てを気にしないことにし、徐々に忘れていくことにしてしまっては、その時々に悩み考えた自分自身も失われていき、場合によっては、無責任な行動をとってしまうこともあるかもしれません。しかし、人生には、色々な喪失や認めたくない出来事など、抱えるには重すぎることが発生してしまうこともあります。

吉田先生の催眠歴半世紀以上の達観である部分も否めませんが、忘却によって、人が楽に暮らせるようになることの手伝いをする仕事は、確かに素晴らしいものと思います。

そして、現実に、私が承る依頼にも、最近、忘却催眠を要するものが増えて来ています。