セックス催眠に必要な “種火” 体験

以前、吉田かずお先生に出演していただく衛星放送の催眠四時間特番の企画を担当したことがあります。その中の一部で、吉田先生の十八番のセックス催眠の演芸を披露することになりました。制作側に依頼して、セクシー女優をモデルとして用意してもらうことにしました。本来2名ほどを選ぶ際に、吉田先生は「念のため、4人か5人候補を出してもらった方が良い」と言いました。

演芸催眠では本番で施術のモデルとなって貰う人物の被暗示性をテストすることを「予備催眠」と呼びますが、その場に合計5人の女優が集まりました。間隔を開けて横一列に配置されたパイプ椅子に全員を座らせ、吉田先生は集団催眠で「触れることなく女性をエクスタシーに導くセックス催眠」をかけ始めました。すると、5人のうち2人は玉のような汗を流して体をくねらせ始めました。1人は身体を硬直させて小刻みに震え始め、残り2人は苦悶の表情で何かぶつぶつと呟き始め、暴れるように椅子から床に倒れ落ちました。

吉田先生はセックス催眠の反応が強かった2人を床のマットに寝かせ、プロデューサーにセックス催眠の演芸を最後まで試して見せることとなりました。吉田先生は、私に残った3人を別室に連れて行き、セックス催眠の暗示を解除して覚醒させ、過去の性体験について念のため確認するように指示しました。

椅子から転げ落ちた2人は子供の頃に性的虐待を経験していました。硬直しかけていた1人は、高齢男性の愛人であると告白してくれました。いずれもネガティブな性体験が無意識を支配していることが分かります。

「アダルト作品に出ているような女性でも、演技をしているだけで、心の中ではセックスが嫌で仕方がないというケースは最近増えている。セックスの良さを無意識レベルで理解しているモデルじゃないと、セックス催眠はかからないからな。セックスの喜びの“種火”があれば、催眠でそれを増幅して気絶するようなエクスタシーに導くこともできるが、“種火”がないこと自体は催眠ではどうしようもない。5人用意して貰って良かった」と吉田先生は女優たちに随伴していたマネージャーに説明していました。

催眠をかけて犬になり切らせる演芸がありますが、見たこともない動物になり切らせることはできません。無意識の中に答えがあるものしか出て来ないからです。セックス催眠も同様で、かけると無意識の中のセックスのイメージが出て来るので、その女性のセックス観が丸裸になってしまうのです。