自己暗示における21日間の法則

営業活動における自己暗示の使い方を詳細に述べた『営業は「自己暗示」でうまくいく』には「21日間の法則」というものが載っています。

読んで字の如くの法則ですが、自己暗示を繰り返すと21日の時間を掛けて暗示が自分の無意識に届くようになるという事象を指しています。具体的には自己暗示を重ねることで徐々に暗示内容が無意識まで浸透するようなイメージで、「22日目には暗示が無意識に届きます」と書かれています。

この書籍で進められている自己暗示の方法は、深呼吸による自己誘導を行なって暗示を入れ、自分で覚醒した後、営業活動の一環として暗示内容を実践する流れになっています。

吉田かずお式催眠観の施術では、他者催眠で書き込んだ、本人が希望する暗示を、さらに安定浸透させるために、自己催眠で自分に暗示を書き込んでもらうようにすることが多いのですが、その場合には、数日で効果を実感するケースが多いです。

そのように考えると、「21日間」はかなり長いように感じますが、自己暗示だけで書き込みを行なう前提とか、初心者向けの内容である前提があるが故の「21日間」であるのかもしれません。また、営業活動の具体的な成果に関わる暗示内容であれば、営業の成果は常に狙った通りに出るものではありませんので、自己暗示内容に懐疑的になるなどの無意識的な抵抗が起き易く、「21日間」ぐらいの日数が必要になってしまうのかもしれません。

確かに、禁煙が完遂できないと悩む遠隔地の方の相談を受け、リモートで催眠技術の原理を教え、暗示内容も一緒に考えた上で、毎晩就寝時に暗示の書き込みを行なうようにお教えしたことがありますが、その際には確かに二週間余りで煙草を手放してもストレスを感じなくなったと報告を受けました。その二週間余りの中で一度「成果が出ない」という不安・懐疑の連絡を受けたので、メールで実践を続けるよう促しました。

いずれにせよ、一般に初心者が対面での指導なしに臨む自己催眠・自己暗示は習得も実用も難しいと言われている中で、「21日間」という目安を具体的に示していることは注目に値すると思います。

☆参考書籍『営業は「自己暗示」でうまくいく