催眠技術的に考える「ワーク・ライフ・バランス」と「充実の人生」

労働時間制限の法規制も定着し、ワーク・ライフ・バランスは世の中では当たり前になったと言われています。それによって充実した生活を送れると喧伝する書籍も書店によく並んでいます。そのような書籍の著者は大抵中堅以上の企業の経営者やその引退後の人々ばかりです。

このような人々はそれなりの資産を既に持っていることでしょう。資産があれば普通は運用します。たとえば余剰資金1億円を5%で運用したら、毎年500万円が労せず手に入るのです。つまり、一定の資産があれば、一所懸命働かなくてよいので、仕事量を好きに調整することができます。

一旦成功すると、その商品やサービスは安定的な質で継続的に提供できるようになります。お客様の方もお得意様ばかりになって売上も安定します。周囲の仕事仲間とも相互扶助的で信用できる関係になります。ですから、無理して不慣れな仕事をしたり、頭を下げて仕事を貰うような必要はなくなります。

経営者クラスになると、日常で付き合っている人々も同様の人々です。ですから、オフの時間も実際には仕事に役立つ情報交換の場であることがほとんどです。もっと積極的に、食事やイベントの場で仕事に役立つ人脈づくりをしたり、仕事の根回しを図ることもたくさんあることでしょう。

このように考えると、ワーク・ライフ・バランスを語っている人々は、勤務時間が関係ない立場で、四六時中仕事のことに頭を使っているようです。全然ワーク・ライフ・バランスではありません。逆にスタート段階で滅茶苦茶に仕事をした結果、仕事と意識せずに仕事をできるようになって、「ワーク」の多くの部分が「ライフ」に感じられるようになったのでしょう。「ライフ」と「ワーク」をタイムカードで分けたから人生が充実したのではありません。

チクセントミハイの研究によれば、人間は没頭することで充足を得られるとされています。多くの有名ワーク・ライフ・バランス論者は、仕事に没頭してきたのだと思われます。そして、没頭することで充足が得られるから、それを好きになります。好きなので四六時中考え続け、工夫や改善を重ねます。だから成功します。

没頭することで「ワーク」がどんどん「ライフ」に変わるなら、話は簡単です。催眠技術で仕事に没頭するようにしてしまえば良いだけなのですから。