承認欲求と向き合う(0) マズローの欲求五段階説から考えてみる承認欲求

先日、『スパゲティコード・ラブ』と言う映画を劇場で観て来ました。大分馬齢を重ねたので、若者の気持ちを理解すべく13人もの若者が登場する映画を観てみることにしました。劇中ではいみじくも何人かの登場人物が「承認」を求めて止まない自分の“渇き”に非常に自覚的ですが、13人が13人全員、漠然とした承認欲求に振り回されて生きているように見えました。

それもかなり強度の承認欲求で、承認に対する渇望で人生を棒に振るようなケースも存在します。そこで、承認欲求に向き合う生き方の選択肢についてシリーズ記事で考えてみることにしました。

色々な翻訳のバージョンがありますが、マズローの欲求五段階説の真ん中である三段階目は「Needs for Belonging」で組織や集団への「帰属欲求」です。さらにその上の四段階目は「Needs for Self-esteem」で「自尊欲求」です。

生理的な生存にかかわる欲求の一段階目、安全安心な状態でいることを求める二段階目、そして自分の求める方向に成長を続けたいとする五段階目、これらの三つの段階は自分一人で完結しますが、三段階目と四段階目は他人の存在を通してしか満たすことができません。私はこれら二つをまとめて「承認欲求」と呼んでいます。(三段階目、ないしは四段階目のみを指して「承認欲求」と呼んでいる解説書も存在しますが、原文を見ると適切な訳とは言えません。)

映画をみていると、どうしても意識せざるを得ないのは今の「若者」と呼ばれる人々の豊かさです。どちらかというと「生存」に近い意味で、生きることが危ぶまれている人物は一人も登場しません。その意味で、多分、上で述べた第一段階や第二段階にいる登場人物はいません。皆、第三段階か第四段階の中で彷徨っています。これはこの映画の中のみならず、日本全体のことのように私は考えています。

【シリーズ・リンク】
承認欲求と向き合う(0) マズローの欲求五段階説から考えてみる承認欲求
承認欲求と向き合う(1) 承認欲求をそのまま満たす。
承認欲求と向き合う(2) 承認欲求を間接的に満たす。
承認欲求と向き合う(3) 欲求の段階を下げて承認欲求を忘れる。
承認欲求と向き合う(4) 欲求の段階を上げて承認欲求を超える。