数ヶ月前、静岡県のタクシー運転手の方から「乗客と会話を弾ませたい」という相談をいただきました。
セッションに現れた50代後半の長身の男性は、真面目そうでしたが、確かに本人もいうように堅い印象があり、乗客から何度かクレームが入り、タクシー会社から指導を受けたことがあるというお話でした。仕事の時のみならず、日常でも何かの目的もなく会話することが馬鹿げているように感じられ、数年前に離婚してから一人暮らしが続き、以前より他愛のない会話が億劫に感じられるというお話でした。
お話を伺っていると、どうも再婚に向けて婚活も考えてみたいようで、それも相俟って、「会話が弾ませられるようになりたい」と、重い腰を上げることになったようです。
以前、婚活塾のような場で、女性と会話がどんどんできるようになる暗示を入れて非常に効果が出た話などをして、催眠暗示の可能性をきちんと理解していただきました。
その後、会話が楽しく感じられることや話の相手により関心が湧くようになることを暗示として書き込みました。施術が終わって一息ついている彼に、「乗せるお客さんにはどんな人が多いんですか」と雑談を装って尋ねてみたところ、事例も上げつつ30分以上、楽し気に載せたお客のエピソードを語っていました。暗示はすぐさま効果を発揮したようです。
一頻り話をし終えた彼に「いつもこんな風にいろんなお話ができるんですか」と尋ねると、我に返って非常に驚いたようで、「え。これが催眠の結果ですか。気づかなかったですが、ずっとしゃべっていられましたね」と感嘆していました。
催眠施術後の自分の変化に気づかない方は多く、吉田かずお先生は「施術が上手く行けば行くほど、本人はその結果に気づかないから、お礼の連絡もない」とよく言っていましたが、最後に変化を自覚していただいたせいか、その後一度、全く問題なく仕事ができ、既に婚活アプリで女性にもあっているという連絡が来ました。話のネタを探したくなって、町の観光ガイドや町のウィキなども読み込んでいるとのことでした。
☆参考書籍:『対話形式でよくわかる こわくない催眠療法』
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