何かの素晴らしい技術を持った人物や何かの事業に成功した人物を評して、「『才能』があるから成功した」ということがあります。しかし、有名な発明王エジソンの「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である」という言葉でも有名なように、偉業を成した人の「努力」は軽視されがちだという主張もあります。
『やり抜く力』の著者アンジェラ・ダックワースは、成功にはもって生まれた「才能」よりも、「努力」が必要であることを式にして示しています。この場合の努力はダックワースが研究する「やり抜く力(grit)」による継続した取り組みのことを言います。一方、「才能」の方は「スキルを上達させる速さ」を指しているとされています。
ダックワースの研究によれば…
1.「才能×努力=スキル」
なので、「才能」を活かす「努力」をすると、それが具体的な「スキル」として形成され、そのレベルが上がって行きます。「才能」があればあるほど、同じ「努力」量でもレベル上昇が速いのです。ところが、その「スキル」は…
2.「スキル×努力=達成」
となっていて、「達成(=成果)」を生み出すのに、再び「努力」を必要とするのです。つまり、「達成」は…
3.「才能×努力の二乗=達成」
という計算になります。「達成」には「才能」も重要ですが、それ以上に「努力」が重要であるというのが、この式を元にしたダックワースの結論です。この「努力」は前述の「やり抜く力」がベースとなっています。
誰もが何かの経験から、意志の力でやり抜くのは困難で、無意識の習慣でこそやり抜くことができると直感的に知っていることでしょう。無意識をコントロールすることができる催眠技術なら、「やり抜く力」を生じさせることは難しくないのです。
☆参考書籍:『やり抜く力 GRIT(グリット)』
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